会社概要
カメラの映像を伝送する、アナログHD(ハイディフィニション)技術に強みのあるファブレス半導体メーカー。
現状の売上の大部分は、監視カメラの映像をハードディスクに送信し、ハードディスクで受信するのに必要な半導体。
従来のアナログ方式である、同軸ケーブルを用いて極めて安価で高画質・長距離・高耐ノイズ性の映像を伝送できるため、今後の高画質の監視カメラの主流となるとみられる。
主要顧客は監視カメラ世界大手の中国ハイクビジョン(売上高2016年12月期、319億元=5470億円)。
注目ポイント
①先述のように現状の売上は送信用・受信用の半導体のほか、液晶コントローラで、今後は更に採用される部品点数を更に増加させていく点。
監視カメラに搭載される半導体であるISP(イメージシグナルプロセッサ・サンプル出荷中)、更にCMOSイメージセンサにまで発展をさせ、監視カメラで肝となる半導体を一気通貫で提供していくとしている。
以上から監視カメラ分野の売上高も採用点数が増加すること、更に世界のテロ対策・防犯対策などから市場規模が拡大していくことが相まって、大きな成長が期待される。
②さらに、監視カメラの技術を生かし、車載カメラ事業にも参入した点。
撮影している画像をカーナビゲーションに映し出す、また自動運転のセンシングに用いるなど、今後車載カメラ市場も急速に拡大していく。
前期(2016年12月期)こそ全体の売上高の2%程度であったが、今期から韓国自動車メーカーにも採用が決まり、これを皮切りに同社の新たな成長ドライバーになる可能性がある。
同社の第3位株主はデンソーインターナショナルアメリカ(保有比率9%)。デンソーは今後3年間で電動化・自動運転に5000億円もの研究開発を投じると先般発表されたが、自動運転分野においてもテックポイントの存在感が今後現れてくるものと考える。
将来的には車載カメラ分野の売上高が監視カメラ分野の売上高を越えることを目標としている。
足元の業績
2017年12月期上期決算が売上高17億円、営業利益4.15億円、純利益2.7億円。
通期見通しは売上高36.5億円(前期比+20%)、営業利益5.8億円(前期比-3.3%)、純利益3.84億円(前期比-1.6%)を見込む。
前期比で中間決算が高い進捗率(営業利益進捗率:72%)であり、大幅増収を見込む一方で減益である見通しの主な要因は研究開発費が今下期に大幅に伸びるため。
上期の研究開発費は3億円である一方で下期は5.3億円と大幅に増加する。来期以降に上市を予定する新製品の開発にコストが先行してかかるためで、これに伴った減益予想はそれほどネガティブにとらえる必要はないものと考える。
また、新規で受注をする予定の案件に関しては業績見込みには織り込んではいないため、下期に新規受注があれば、今期業績の上振れも期待できるだろう。