業績絶好調、VR・新ゲーム・eスポーツ、材料の宝庫【3904】カヤックに注目!

東証マザーズ上場の【3904】カヤックに注目します。

2017年7月18日にツイッターで1540円前後から注目しています。

同社の魅力について、書いていくときりがないのですが、ある程度絞って同社の特徴について書いていきます。

カヤックは代表取締役社長の柳澤大輔氏を中心に2005年に設立した企業ですが、当初から目指しているのは「クリエイターのリクルート」です。

どういうことかといえば、様々な企画・立案を含めて、創造的な、つまりクリエイティブなものを作り出すようなクリエイター集団を常に排出し続けていく会社でありたい、という思いがあります。

リクルートはこれまで多くの経営者を輩出してきました。彼らが業界をけん引し、大きな影響を与えているのは間違いないところです。

カヤックは多くの優秀なクリエイターを世に排出する、創造力に富んだ企業であるということが同社の特徴を語るうえで最も重要であると思います。

実際、『面白法人』を標榜しており、毎月の給料の一部をサイコロの出目で決定する『サイコロ給』を導入していたり、転職者の受け入れでは一度同社で働いたことのある人専用の相談窓口『出戻りブース』を設置したりと各所に独創的な取り組みを行っています。

カヤックの事業は?

 

そんなカヤックは大きく分けて3つの事業から成り立っています。

1つはクライアントワークス事業

これは広告主などからキャンペーンの企画・制作を受託し、売上を計上する事業です。先述のように、カヤックは多くのクリエイター集団を抱え、独創的な企画を生み出していることから、毎期受注を堅調に伸ばしています。

この事業では特に、兼ねてから培ってきたVR技術が目下生かされている状況で、VRコンテンツを制作し、もって広告主の販促に繋げるといった取り組みも現在行われています。

VRは、特にゲーム関連のベンチャー企業の中では【3668】コロプラ【3632】グリーと同様に、黎明期から研鑽を積んできた経緯があるため、上場する多くのゲーム企業の中では突出した技術力があると言えます。

独創的な制作力に加えて新たなVRという技術が相まっていることで、今後も安定的な成長が期待できるものと考えています。

2つめはLobi事業。

Lobiはスマホゲームの攻略情報交換や、ユーザー間の交流が可能となる掲示板で、無料でも利用ができますが、より充実した機能を利用するためには月額の有料会員登録が必要、というものです。

無料会員からは広告による収入を得つつ、また有料会員からも会費を取るというビジネスモデルで堅調に会員数を増やしている、といった印象で、安定成長を続けている事業です。

3つめが目先的に最も期待をしているゲーム事業です。

同社はおよそ3年前にリリースした「ぼくらの甲子園ポケット」という、ユーザー1人1人が高校球児となって甲子園を目指すゲームほぼ一本が安定的に成長し、企業全体の成長をけん引しているといったところです。

現時点ではほぼ、このゲーム1つでゲーム事業全体を支えていると言っても過言ではなく、新たなゲームの配信開始が待ち望まれている状況であります。

そこで、今下期に新作ゲームを3本~4本ほど市場に投入する予定で、その第一弾が8月10日正午頃に発表されます。

カヤックグループのガルチ、10周年を記念した新プロジェクト始動!

カヤックは、昨年、ゲームの受託開発を主力とするガルチを子会社化しました。

ガルチの創業メンバーは、1990年頃、縦スクロール型のシューティングゲームである「雷電」の開発メンバーでもあり、特にシューティングゲーム制作に強みを持っています。

買収後、カヤックはガルチとの協業を模索し、ガルチの創業10周年に合わせ今回「雷神」というシューティングゲームをリリースすることとなりました。

過去の「雷電」はゲームセンターで一世を風靡し、全世界で楽しまれました。今回スマホ用に新たにリリースをする、というのはカヤックの業績の更なる向上に向けた大きな材料になるのではないかと思っています。

また同社のゲーム事業は、単にゲームを配信するだけではなく、そのゲームをプレイヤー同士で競い合う「eスポーツ」にも力を入れています。

いずれ「eスポーツ」というテーマについて細かくご説明をする機会が訪れるものとは思いますが、簡単に言えば、ゲームをプロスポーツ化してゲーム業界全体を盛り上げていく取り組みだと考えていただければよいでしょう。

このeスポーツもまた、カヤックが兼ねてから取り組んでいた事業の1つであり、それを強化するために先般、eスポーツの企画開発を行うウェルプレイドを子会社化しました。

単にゲーム配信を行い、その課金収入だけで利益を得るというのではなく、ゲーム自体を楽しむような、いわばゲームの「外堀り」を埋めていく、eスポーツやLobiといった事業が有機的につながりあって新たな、そして大きな収益を生む流れがこれから生まれてくるのではないかと思っています。

勿論クライアントワークス事業の解説で触れたVR技術も今後ゲームに積極的に活用していくことで更に新たなゲームを生み出していくことにも期待できるでしょう。

業績は絶好調で、上方修正期待

 

足元の業績は絶好調。第1四半期の決算では、通期業績見通しに対して新緑率で40%を超える営業利益を叩き出しました。

しかしながら、同社はクライアントワークス事業が特にそうですが、年末に向けて売上・利益が右肩上がりに伸びていく季節性があります。

それであるにもかかわらず、第1四半期決算で進捗率40%超の営業利益を叩き出したということで、上方修正の期待は非常に高いものと思っています。

また先述の通り、一本足で収益を稼いでいたゲーム事業に、「雷神」をはじめとした新作ゲームの発表が相次ぐことから1つ1つのゲームの中身を精査する必要があるにせよ、いよいよ飛躍の時を迎えたと言える状況に来ているのはないでしょうか。

株価に関しては、上場直後につけた上場来高値1800円を3年間抜くことができておらず、大きなボックスを形成しています。

その間、業績は着実に成長を遂げているがため、上場当初最大で100倍あったPERが会社予想ベースでは50倍にまで切り下がり、そして恐らくは今期このまま堅調な業績を出していくことができればPERは20倍台にまで切り下がっていくことになるものと思います。

長らく揉んだ株価推移が、ようやく上抜けていく、そのきっかけが8月10日の新作ゲーム発表や、第2四半期決算にあるのではないかと考えている次第です。

1つ懸念となるのは、創業メンバーである3者が株式を大量に保有しているがために、流動性に難があり、これを売り出す可能性があるということです。

単なる売り出しであれば希薄化懸念は全く問題がなく、その時はむしろ買いということにもなりますが、もしも売り出しを積極的に行うようであればそれが短期的なリスクになるということだけは頭に入れておいた方がよさそうです。

それ以外では懸念といえるのは新規ゲームのプロモーションに広告宣伝費を投下し、利益を圧迫することになる可能性もありますが、それはまた出てきたゲームの中身をよく精査して、また解説を行って参ります。