リチウムイオン電池関連銘柄の一角、【6955】FDKを解説

 

FDKの由来は、富士電気化学、その略称がFDKで、古くから富士電機→富士通の流れを組む、富士通グループの電池メーカーです。

アルカリ乾電池、リチウム電池、リチウムイオン電池を富士通ブランドで生産しています。

【6955】FDKに関連して、昨日付の日経新聞11面に以下の記事がありました。

『富士通研、リチウムイオン電池の正極材料を鉄で開発 』

記事を要約すると富士通研究所がリチウムイオン電池の正極材料に本来のコバルトではなく、を使うことに成功した、ということであります。

2月に急騰した際の材料である「全固体電池」の正極材は富士通研究所と共同で開発をしましたが、今回は開発そのものには直接は関わっていないそうです。

(2月急騰したプレスリリースはこちらです)

ただ、レアメタルであるコバルトを使わず、数百分の1のコストで正極材を利用できるという本技術が実用化された場合には、富士通が70%超を保有する子会社として、富士通グループの電池部門として、当然の流れで生産を担当することになるとのこと。

電気自動車の普及にはリチウムイオン電池のコスト削減が急務であり、現在でも全車体に占める電池のコストは約半分とも言われています。コスト削減のためにはレアメタルの使用を削減することが重要で、今回のニュースフローはその一助になるものと考えられます。同社もレアメタル削減が今後のリチウムイオン電池製造のカギを握るとの説明でした。

全個体電池が発火の危険性をゼロにし、安全性を高める技術革新である一方で、コストダウンを図る今回の技術もまた今後株式市場で見直されるものと期待をしています。

業績は前期為替影響や受注の延伸、リチウム電池の一部の落ち込みを受けて赤字に転落したものの、今期は新製品の投入効果や北米でのニッケル水素電池販売が堅調であることからV字回復の見通しとなっています。

為替前提も1ドル105円、1ユーロ115円と現状の為替水準から、上振れ余地を残している点も注目に値します。

電池関連としては、新神戸電機を日立が買収し、また電池材料であるNECトーキンをNECが買収するなど、その将来性に対しては実業界でも期待をされている面があります。

今後、リチウムイオン電池がさらに大容量化する、またより安全性が高まる、さらにコストダウンを遂げるという流れに伴って、FDKの活躍の場が広がっていくかもしれません。