トランプ大統領弾劾?「ロシアゲート」が株式市場に与える影響は?

トランプ大統領が窮地に立たされています。

きっかけは5月9日、FRBのコミー長官を突如解任したことです。ロシアによるアメリカ大統領選介入疑惑とそれにトランプ陣営が関与していたという疑惑、捜査を妨害する手段として今回コミー長官を解任したのではないか、と言われています。

また、フリン氏に対する捜査をやめるよう今年2月にコミー長官に要請していたという話題も出てきました。

さらにロシアに機密情報を漏らしたということもトランプ大統領の資質が問われている状況です。

もしもこれらが本当のことであれば、司法の独立性が大きく害される、大統領の越権行為として、弾劾裁判・罷免ともなり、リスクオフの流れが加速していく可能性があります。

1973年にニクソン大統領がウォーターゲート事件に絡み特別検査官を解任し、結果としてニクソン大統領自身も辞任に追い込まれたことになぞらえて、ロシアゲート事件として報道され、更なるリスクオフの流れが現在巻き起こっている状況にあります。

トランプ大統領が当選した昨年11月から、北朝鮮問題などで下げてはいたものの、米国発で下げるのは「初めて」に近いわけで、いわゆる「初押し」とも言えます。

今後の日本株の行方は?

まず1つ言えるのは、トランプ大統領が辞任に追い込まれるか否かの前に、トランプ大統領が掲げる大幅減税の政策が遅れてしまう可能性があります。

大幅減税が遅れれば、これまで米国の株価上昇のけん引役の1つとなっていた金融株は一旦調整を余儀なくされるものと思います。

ただし、足元で自動車の販売台数は弱含みを見せているものの、その他の経済指標は良好そのものです。こうしたことからもリスクオフの流れはそれほど長くは続かず、バリュエーションで割安ともなれば押し目買いは入りやすい環境になってくるものと思います。

もしもトランプ大統領が辞任、ということになったとしても、共和党がカバーする施策を打ってくるものと考えられます。

結局米国のリーダーが誰になったとしても、自国を悪い方向にもっていくような政策を打つリーダーはいません。トランプ大統領が辞任しようがしまいが、関係なく、また良い銘柄はいつでも買われます。

それだけを肝に銘じておけば、いかなる「リスクオフ」相場も立ち向かえることができるはずです。

今日1日でリスクオフ解消、そしてリスクオンへ、ということはさすがに言えませんが、前を向いて良い銘柄の押し目は「絶好のエラー」として拾っていくべきであろうと思っています。